国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)が24日、開発中の薬「虹波(こうは)」を入所者に投与する試験が戦時中から戦後にかけて繰り返されていたとする調査報告書を公表した。激しい副作用や死亡例が出た後も中止されなかったという。熊本県の「無らい県運動」について検証報告書をまとめた経験がある内田博文・九州大名誉教授(刑事法学)に、その背景や問題点を聞いた。
◇
戦争のために健康で屈強な兵隊を育成する。官民をあげたハンセン病患者の強制隔離は、満州事変ごろからは国の「健民健兵」政策の一環として、社会から排除するかたちで推し進められた。
「全国の療養所で行われていた可能性」
当時、国のために命さえも差…